はじめに
ルールブックP2,P3,P4,P5から抜粋
【 はじめに】
■神秘的な蒸気発展の世界へようこそ
ここは魔術が技術として確立された世界。第一次世界大戦により魔術の技術が大きく発展し、1920年現在のアメリカは黄金時代を迎えていた。
この世界はどちらかといえば我々GMやPLの住む世界に似た歴史を歩んでいます。恐竜
は絶滅したしローマは繁栄の末に滅び、様々な争いもおおよそ同じことが起きて同じような決着をした。ただ違うところは昔から魔術の存在が認知されている事とそれによって生まれた技術が使われていること。
機械の動力は”液体魔力”とそれによって生成される蒸気に似た気体”ミスティック・スチーム“が主流で電気は使われていない。
町中で煙突や配管パイプから排出され空に登っていくミスティック・スチームが見られるだろう。
また、魔術変換路とカートリッジによってだれでも手軽に魔術を使うことが出来るようになった。
■堕落する者達
肉体を異形化させる「悪魔の酒」が裏で取引されるようになり、それが切掛けで禁酒法が可決された。それの影響を受け、表だって酒が飲めなくなった。
だが、警官が帰りに私服を着て裏酒場でビールを飲む、真面目に守っている警官はそう多くはない。
「悪魔の酒」のせいで異形化し暴れる浮浪者や、悪魔の酒を使って勢力を伸ばすマフィアによって治安が悪化し、警察組織はその機能を十分に発揮できないでいる。
今やアメリカは混乱と狂乱の渦に呑み込まれようとしているのだ。
■市民達は誰に助けを求めれば良いのか?
ある時海外の自伝小説がこのアメリカで人気を博す。イギリスの「シャーロック・ホームズ」という探偵が様々な魔術品を巧みに操り助手と共に難事件を解決していくそんな内容の自伝小説である。
その自伝小説に触発されたのかは分からないが多くの探偵事務所が生まれたのは事実である。
探偵たちは様々な依頼を市民や時には政府から仕事も請け負っている者も居る。
【用語説明】
■魔力
魂から分離し形を保てなくなりエネルギーとなった魂の欠片、
オドとも生命エネルギーとも表現される。
この世界において魂とは霊的な肉体であり、物理的な肉体と密接な関係を持っている。肉体が傷つけば魂も傷つくし、逆に魂が傷つけば肉体は激しい疲労や時に損傷を起こす。そのため肉体の治癒は魂の治癒となる。
■世界に満ちる魔力
すべての命あるものは魂を大小関わらず有し死んだときにその魂を霧散し生命エネルギー、となる。その霧散し生命エネルギーとなったそれは世界を満たす魔力”マナ”と呼ばれている。
■魔術
個が有する生命エネルギーである魔力を利用し様々な現象を起こす技術。国や地域によってその方法は千差万別であり、魔術によっては世界に満ちる魔力マナを利用する魔術もある。
■術式
魔術を使うために必ず必要なモノそれは、呪文といったスペルや模様や文字など様々である。アメリカで見かける魔術を使う人物魔術師はスペルを使うものが多い。
■魔術師
魔術を扱う人物を魔術師と呼ぶ、だがその性質は研究者に近い。世間一般の認識としては魔術師=魔術を研究する者の認識となっている。また、魔術に関しての相談や依頼を解決することを生業にしている魔術師も居る。
■魔術品
特定の動作で魔術を起動させる事仕掛けを仕込んだモノ、大抵の魔術品は外部からの魔力供給を前提としているが一部の魔術品はあらかじめ魔術の発動に必要な魔力を貯めてある場合もある、その場合たいていが使い捨て前提の魔術品である。
■シリンダー
内部が真空になっている筒状の容器で液体魔力を運ぶのに使われている。
■カートリッジ
魔術を使うための術式が組み込まれている六面体の結晶の様な棒金属製のフレームが付けられている。これ単体では魔術を発動することは出来ない。
■小型変換路
シリンダー内の液体魔力を取り出しミスティック・スチームに安全かつ効率よく変換するための道具。形は様々だがオーソドックスなタイプはラグビーボールに近い大きさをしておりフォルムは錠剤のカプセルのような形をしている。本体からチューブが伸び魔術品と繋いで魔術品にミスティックス・チームを送ることが出来る。また、取り付けられているソケットにカートリッジをセット、押し込むことで仕掛けが作動しカートリッジに魔力が充填され魔術が発動する。
■悪魔の酒
肉体の一部を変異させる酒マフィアが市場を牛耳っているため手に入れるには売人への伝手が必要だ。
■隣人-ネイバー
知性有りと国の機関から認可された動物たちの事。その殆どが人語を喋ったり、念じる事で会話することが出来る。
【世界観説明】
■魔力の歴史
魔術師は自分の生命エネルギーを消費し魔術を扱うため強力な魔術を行使するために自分の生命エネルギー以外の魔力を貯める品が必須だった。そこから生まれたのが魔力の物質化である。この研究は当初鉱物や宝石などに魔力をため込む方法がとられていたのだが、とある錬金術師が魔力そのものを結晶化させる方法を確立させる。これが"結晶魔力"である。結晶化された魔力は"魔導技術"を大きく発展させることになる。1800年頃から"結晶魔力"を動力とした乗り物や道具が次々と生まれ実用化されていった。だが当初から問題視されていた点があった、結晶化による質量の問題とその消失する性質である。多くの魔力を込めれば込めるだけ魔力の結晶は大きくなる。
1の魔力に対しての結晶の大きさが必ず同じに成る。液体魔力の様に蒸発はしないが、徐々に劣化し魔力が漏れ出ていき、小さくなりやがて消える氷の様な性質があり大きな結晶魔力を作りそれを道具にセット出来る大きさに加工する"作業"が必要だった。
扱いとしてはほぼ氷と変わらずなるべく早く加工し出荷する。保存用の魔術品の収納箱などもあったが液体魔力と比べと必要な工程が多く魔力のロスが多かった、真空であれば保存の利く液体魔力の誕生と共に、結晶魔力は使われなく成っていった。
結晶化の技術は即座に矢玉を作ったり剣身を作ったりと武器方面での活躍が見られている。特に戦時中その性質は多くの兵器に使われるようになる。また、軍用兵器ではシリンダーの耐久問題から結晶魔力が使われることもある。
■魔術革新
結晶魔力の発明が魔術を技術と認めさせる最初の一歩だった。魔力を結晶化させ固形にすることでだれでも自由にあつかうことのできるエネルギー体に変えたのだ。結晶魔力を動力とした魔術品の最初はゆっくり動くだけの円盤だったという。やがて馬のない走る馬車が開発され、 次に武器が開発された。初めて作られた魔力の結晶化を利用し刃を作る剣は貴重な資料として博物館で厳重に保管されておりその博物館の名物の一つにもなっている。戦争でも使われることになり始め、今では矢玉を放つ魔術品は常備化されているほどだ、やがて魔術を利用した武器は”魔武器”と省略された呼び方をされている。
■液体魔力
様々な理由で作られたのが液体魔力である。空気に触れると急激に気化し始める性質があったため内部を真空にした金属の容器、”シリンダー”が開発された。
水と混ざらず水より軽いその性質から液体魔力の制御に水が使われることも多い。
やがて魔力を液体に変える機材が国中に配備され普及し始める。
■ミスティック・スチーム
液体魔力が空気と反応、取り込み爆発的に気化した気体の事。
■神秘的蒸気機関
最初は、空気に触れた液体魔力が空気を取り込みながら爆発的に増え気体化していく現象を利用し水やパイプで制御することで動く蒸気機関とそれを利用した機械たちが始まりだった。やがて、物理的動力源+魔術的エネルギーとして使われるようになりその発展は進んでいった。
■現在の魔術品
変換路を使い必要な量だけ気化させチューブを伝い魔術品に供給する事でそれをエネルギーとして魔術品は動いている。
他には液体魔力を持ち運びの便利な魔力源として使用する道具も多い、その場合大体が小型変換路にシリンダーをセットすることで使える。
通称:WWI。世界を巻き込んだその戦争では空を飛行船や高速船が飛び交い地上では重魔導装甲騎兵が歩兵を蹂躙し砲撃や強力な魔術攻撃によりによって重魔導装甲騎兵が地に沈む。世界中の魔術が飛び交う戦場はまさに地獄だった。同時に様々な魔術が広まり結果的に魔術技術は飛躍的に進むことになる。
■飛行船
軽い気体を詰めた気嚢により浮かぶ船である。内部の飛行ユニットが主な飛行手段である。
飛行する外敵の排除に機関砲と大型の魔導装甲機を搭載している。
■高速船
推進機と四枚の羽根で得た揚力により高速で空を飛ぶ金属船。
■重魔導装甲騎兵
10~20メートル程の二~四足で移動する金属の巨人。
昔から使用されてきた”無機物の人形を操る術”が元となっており、昔は単純な命令に従い動く巨大な土塊や岩の人形だったが現在では金属製が主流となり、臨機応変に対応できるように人が搭乗し直接操作するようになった。
国によってその姿かたちは様々であるが、アメリカの採用している”魔導装甲騎兵”は2足の人型を採用している。珍しいものでは歩兵だけを相手にする事を前提にした機動力に優れた軽装甲騎兵や四足の重装甲騎兵も確認されている。
■アンデット
ゾンビや幽霊と呼ばれる所謂アンデット達は何かしらの原因により魂が霧散せず留まってしまった事で起こる”現象”に近い。ゾンビであればその肉体を幽霊であれば何かしらの核になるものそれを破壊すれば魂が霧散し消えてなくなる
■警察
自治体警察が主だ。そして、調査局BOIが第一次世界大戦を経て順次に権限が拡張され、後にFBIと呼ばれる組織と成る事で治安は改善し始めるだろうが、今はまだ不確定な未来の話である。
その為まだ綱紀粛正が徹底されていないか、または機能していない。もちろん正義感溢れるリーダの元秩序ある組織として機能している、自治体警察もあるだろう。
■探偵
現在のアメリカに存在する探偵は、個人や小さなグループによって形成されている。その形態は様々である、既存の枠にとらわれない事が強みであり危険な所である。
■マフィア/ギャング
危険な暴力装置として時に、市民や町の危機を救うことがあるが探偵と違いマフィアやギャングといった者達は自分たちの利益やプライドを優先する傾向が強い事である。
■市民
時に武装した市民が警察や探偵などの手を借りず独自に事件を解決する事案も少なくない。
■知性ある者達-ネイバー
時に魔力が動物を知性ある生物に変える事がある。喋ったり、原始的な殆ど無意識に近い方法で魔術を行使し意思疎通が取ることが出来る動物が存在している。これらは昔から存在が認知されており専門の機関でのテストを受ける事で知的生物として人権が与えられ準人類となる。一般的には “隣人-ネイバー”と呼ばれている。